テープがつかない、はがれる!原因と対策製品 ③「変形に耐える」編
ものを固定したり、くっつけたりする粘着テープですが、テープおまかせナビには、くっつかない、はがれてしまうなどのご相談がよく寄せられます。
この記事では、テープがなぜつかないのか、はがれてしまうのか、粘着の3要素のひとつである「変形に耐える」という視点で、原因と対策製品について解説します。
テープはなぜくっつくのか
テープがなぜつかないのか、なぜはがれるのか、それについてご説明する前に、なぜくっつくのかを考えてみましょう。
テープがくっつくためには、粘着の3要素を満たしている必要があります。
粘着の3要素:①近づける
ものとものがくっつくには、まずそれぞれを極限まで近づけることが重要です。一見、平滑に見える被着体も、微細に見れば細かなでこぼこがあります。そのでこぼこにテープの粘着剤をしっかり近づけることが、くっつくことへの第一歩です。
粘着の3要素:②なじむ
例えば、フッ素コーティングされたフライパンの表面に水を垂らすと弾くように、ものとものには相性があります。
粘着剤と素材の相性で、お互いに弾き合ったり・よくくっついたりと様々です。
また、粘着剤の種類によってもなじむ・なじまないという差が発生します。
粘着の3要素:③変形に耐える
例えば、ガラス(表面に微細な凹凸)とガラスの間に水を垂らし重ねると、2枚のガラスははがれにくくなります。
しかし、横にずらすと簡単に外れてしまいます。
そのように、変形に耐える力が無いとテープは簡単にはがれてしまいます。テープの粘着剤には、貼りついた後にはがれようとする力に耐えることも必要なのです。
テープがつかない、はがれる原因
テープがなぜつかないのか、なぜはがれるのか、その理由は前項でご説明した、「粘着の3要素」が満たせていない、もしくは満たせなくなってしまうときに発生します。
この記事では、粘着の3要素の一つ、「変形に耐える」が満たせなくなってしまう材質の解説と、おすすめの対策製品についてご紹介します。
テープを変形に耐えられなくさせる素材について
テープを変形に耐えられなくさせる代表的な素材として、軟質塩化ビニール(軟質塩ビ)が挙げられます。
塩ビは耐久性に優れたプラスチックですが、単一では硬くて脆いため、軟らかくするために可塑剤という、プラスチックを軟らかくするための添加剤が加えられます。
軟質塩ビは、可塑剤の量が多くなっており、テープをくっつけた場合、時間が経過するにつれ、可塑剤の成分が粘着剤に移行し、粘着剤が軟らかく、べたべたになってしまうことがあります。
粘着剤が軟らかくなるということは、変形に耐える力が弱くなるということであり、テープははがれやすくなってしまいます。
可塑剤が移行した粘着剤がどうなってしまうか、下記の試験動画でご覧ください。
このように、可塑剤が移行した粘着剤は軟らかく、はがれやすくなってしまうばかりか、糊残りを発生させてしまうリスクも高まります。
軟質塩ビ以外にも、ゴムに使用されている老化防止剤や油性分が粘着剤に移行してはがれやすくなるケースもあります。
温度が高い時も要注意
変形に耐えられるかどうか判断する場合、周りの温度が高いかどうかにも注意が必要です。
粘着剤は温度が高くなると軟らかくなってしまう傾向にあるため、変形しやすくなります。
テープをくっつけた材料がはがれてしまう場合、くっつけたときよりも高い温度になっていたといった原因が多かったりします。
そのような場合では、高温に強い耐熱性のあるテープを選ぶのが有効です。
変形に耐える力を弱くする素材と、おすすめの対策製品
これまでご説明した、添加剤が粘着剤に影響を与えてしまう傾向のある素材と、その素材をくっつけるための対策製品をご紹介します。
記載した以外にも様々なテープをご用意していますので、ぜひお問い合わせください。
専任スタッフが最適製品を選定、ご紹介させていただきます。
軟質塩ビの接着におすすめのテープ
ゴム系素材の接着におすすめのテープ
温度が高い時の接着におすすめのテープ
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著者プロフィール
日東電工ベースマテリアル株式会社小池 季史
2014年日東電工ベースマテリアル入社。製品企画グループに配属となり、各種粘着テープの企画業務に携わる。
その後、デジタルマーケティング関連の部署に移動、これまでに培ったテープの知識・経験を活かしながら、専門的な観点と見る人に分かりやすいコンテンツ制作を心掛けている。
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